ヨトウムシ大発生

木曜日の夜のこと。実家と電話で話したら、「裏のキャベツ、ネットかけてあるけど、ひどいことになってるよ。もう、穴だらけ。」と力のこもった報告。
「えー。生け贄が側にあるからか、こないだの日曜日はきれいだったけどなぁ。て、ネット取って、キャベツ見た?」
ううん。めんどくさい。見つけにくい虫探すのいやだし。」
がっくし。
そんな気合い入れて語りたくなるほどひどいのに、見てもくれんのか。しかし、ここで怒って決裂すると、被害が大きくなる。なんたって、相手はヨトウムシだし、聞く限り、結球してる中心を食い荒らしているという。
「あのさ、見つかるやつだけで良いから、退治しといて。」
しぶしぶ、了承される。
そして翌、金曜夜。
「スッゴい大きいのが一杯いて、何匹も殺したよ。10匹とか、そんなもんじゃないよ」
そうか。。先週、不織布買ったが、時間切れで、ネットから不織布にかけ替え出来なかったことが悔やまれる。しかも、裏の空き地のキャベツ群は、ぱっと見た感じ、葉っぱに穴も空いておらず、すごく丁寧にチェックはしなかった。あの頃、すでに、2ミリぐらいの小さな青い奴らが大挙して潜り込んでいたのかもしれない。

ここでリアルに理解して頂くために、
数ミリから2センチぐらいまでの、小さく青いヤツ
3センチぐらいのだんだん茶色の柄が現れたヤツ
最後に土と同じ色になり、太さ1センチ、体長4センチから6センチになったヤツ

・・・・・実物の写真を掲載しても良いのだが、美しくない上に、腹立たしいので止める。


以上は、前振りだ。
昨日、土曜日。
すでに、実家に着いた時は夕方6時半を回り、薄暗い。裏の空き地は諦め、表庭の一番出前一列だけ、念のため、覗いてみた。
いる。
何匹か、ネットの上からでも見える。1つなど結球してるところに、かなり穴が空いている。急いで、ネットをめくり、懐中電灯で葉を1枚1枚確認する。ヤツらの大きさはバラバラだ。まだ青い、細身の体長1センチぐらいのやつが、5匹ぐらい取り付いている(1枚に!)葉もあれば、茶色くなった、太さ1センチ、体長4センチの奴が葉の間にいたりする。1匹などは、球の穴がちょっと茶色く見えたので、もしやとつついてみたら、球の中に引っ込んだのを、慌てて引きずり出した。夜行性の彼らは、昼間は大体、土に潜るので、根元の土を掻いて探すのだが、キャベツだとそのままキャベツの中で寝てれば良いのだろう。食住近接にもほどがある。寝て、目が覚めたら、自分のベッドや壁を食えば良いのだ。まるでお菓子の家に住んでるようなものだ。
ますます憎悪が芽生えてくる。
日常生活で、普通、何かにこんなに憎悪や殺意を抱くことはないものだが(あったら困る!)、たった6本のキャベツに、50匹以上のヨトウムシが取り付いているのを、日が落ちた中で、1匹1匹、ハサミで摘まんでいくのだ。怒りが憎悪に変わっても、私の人格に特に問題もあるまい。
結局、この日は4本の四季取りキャベツ(小ぶりキャベツ結球中)と、「超大球」の苗2本しかチェックできなかった。
しかも、実家の家族は「裏はこんなもんじゃないよ。ははは。」と言うではないか。

今朝。雨が小休止。
急いで表庭からヨトウムシをチェックし、不織布にかけ替えることにする。
先週、一応、ヨトウムシを駆除したはずの超大球の苗6本。
なんてことだ。。

こんなんで、超大球は大球に育つのか。なんか3本ぐらいダメっぽい。
そして、これは昨日、隠れようとしたヤツを引き抜いた株だ。

「水遣りしてたら、気付かんか、これ!?ボロボロやないか!」怒り炸裂。
「知らーん。先週、どのぐらい穴あいてたかしらないし。」
むきーっっっ!!
必死でヨトウムシを撲殺し、不織布に替える。しかし、この不織布、所々目が粗い。大丈夫かなあ。。。これではダメかもしれん。高い方(倍ぐらいの値段のものがあった)じゃないとだめだったのか。
そして、懸案の裏の空き地。

もはや、憎悪も殺意も通り越した。無感動に殺戮マシーンと化すこと30分。
本日、処分したヨトウムシは100匹を下らない。絶対に下らない。
なんという殺伐とした週末だろう。農業って、本当に心が豊かになるのか?