レタス「フリンジーグリーン」のこと

フリンジーグリーンは、その後、何度となく危機的な状況を迎え、色々手をつくしたが、徐々に小さくなっていった。
そんな大きくならない「レタスの赤ちゃん」を不審に思う気配はみせつつも、子どもは一生懸命、水をやっていた。体調を崩して数日、ベランダに出なかった時も忘れなかったと見え、快復すると「レタスの赤ちゃん」と言いながら外に出て行った。
そんな「レタスの赤ちゃん」は、7月5日、長さ数ミリ、太さは1ミリもないシャクトリ状の青虫がつき、葉は絣状になり、もはや救済のしようがなくなった。
諦めて、早朝、子どもがいないうちに抜き取った。ベランダにいくと言わないで欲しいなあと思ったが、やっぱり出て行った。
「レタスの赤ちゃん」がいない鉢を見て、固まる子ども。
「レタスの赤ちゃんは、あおむしさんが食べちゃったんだよ。」
実際、土の上に、小さなシャクトリ状の青虫が歩いているのが見える。
「あおむし。。。」と、青虫を見つめるものの、特に怒りなどはないようだ。理解に苦しんでいるのかもしれない。空の植木鉢に水をやると主張する。
とりあえず、水をやった後、気をそらすために、アイコを収穫させ「これを持って行って。」と家人のところに持って行かせる。大げさに喜んで御礼を言う家人に乗せられて、その日はご満悦に終わった。

翌6日、早朝、慌ててフリンジーグリーンを蒔き直す。
「レタスの赤ちゃん」と言うので、「赤ちゃん出てくるの、お水あげて待ってよ。」というと、ジョウロで水をあげる。
そして9日。もう発芽した。早い。

11日、なんだか大きくなりはじめた。「レタスの赤ちゃん」の再来である。

この虫の多い時期に寒冷紗をかけたぐらいで虫害を防げる気がしないけれど、レタスが赤ちゃんじゃなくなるまで育てられるよう頑張らねばなるまい。