茄子の越冬

昨年の秋から、ベランダ家庭菜園で実験をしている。
特に何もしなくても(もちろん肥料ぐらいはあげたけど)、11月下旬まで元気で、何本も収穫できた茄子。
マンションの前を犬の散歩で通りかかる人が、何気なく上を見て「あ、茄子なってる!」と話しているのが聞こえるぐらい、派手に1メートルほどベランダから外にせり出していたものだ。我が家の自慢の茄子であった。



しかし、さすがに12月に入る頃には、葉がだんだん茶色くなって余命幾ばくもない様子になった。

普通は、ここで抜いてしまう。
実際、実家の菜園では、ガーデニングを趣味とする人にありがちな(少なくとも私はそう思っている)、花が汚くなったらポイすることに抵抗がない母が、まともな実がならなくなってきた茄子を疎んじて、ドライに抜いてしまった。
しかし、自宅では、家人が根元に近い方から、まだ小さな新しい芽を出しているけなげな姿を哀れんだ。そこで、中途半端な性分の私は、抜くに抜けなくなったのだ。

結局、どこまで彼らが頑張るかやってみよう、ということで実験開始。クリーニングのビニールを一本の茄子にすっぽりかぶせて見た。ハンガーが通っている部分は穴が開いており、丁度換気の口になる形。根元にもビニールを敷いてある。

もちろん、先の方の葉は茶色がかっており、今にも枯れそうではあるが、根元の方は青々とした新芽。しかも驚いたことに花は次々と咲き、よく見ればいくつも実が。さすがに、小さくて大きくなりそうにはないけど。植物は危機的環境だとひ弱でも花をつけて子孫を残そうとするという話を聞いたことがあるが(今、うちの苺とかそんな感じ)、そういう状況なのだろうか。


彼らは1月、2月の寒さを乗り切って春を迎えられるだろうか。
春を迎えられたら、新芽を伸ばして普通に花が咲いて実がなるのだろうか。それじゃ多年草じゃないか。
春まで生き延びたら、連作禁止のナス科の彼らのこと、なんとかして土は少し変えてやらんといかんだろうが、鉢一杯根が張っていて大変だろうなぁ。。。
などと、思いをめぐらせつつ、実験はいつ終わるのか不明である。