一時帰宅

4月になった。
関西でも桜が咲き始めた。一年で一番美しい季節を迎える。あんな災害があった後で、咲き始めた桜を見た当初は胸が痛んだ。
「深草の野辺の桜し心あらば 今年ばかりは墨染めに咲け」
阪神大震災の後の春も、この句を思ったことを思い出した。桜を見ても、なんとなく色が褪せてみえたものだ。あの時も家を失い、学生時代慣れ親しんだこの地にワンルームマンションを借りて、仮設住宅に入るまで、家族でひしめき合って暮らしたのだった。少しデジャヴな感じがして、軽く目眩がした。
しかし、桜が墨染めに咲かなくても、色どころか花も目に入らず、入っても苦しいだけの人も多いだろう。私は前回は家を失っただけで済み、今回は何も失っていない(まあお金がかかっているぐらい・・・)。花ぐらい愛でられるように気を取り直さないと。


さて、9、10日の週末に桜は見頃を迎え、新幹線が混雑することが予想されたので、その前の週末、3日の日曜に一時帰宅した。帰宅した日、時間を作って家族で畑に降りた。
我々が菜花を食いはぐれたのは、菜花にとっては幸運だったろう。菜花は黄色に咲き誇り、甘い香りとともに平和な景色を見せてくれた。貧乏性なので、まだ咲いていない蕾を少し摘み取る。
菜花の隣にはソラマメが元気にきれいな花をつけている。


今のところ、アブラムシの被害もないようだ。まあ、去年も豆が育ち始めてからアブラムシで真っ黒になったっけ。これからが心配。

先日の写真で収穫適期を迎えていたキャベツ。1つはちょっと遅かったようだ。花芽が見えている。

右側の花芽ができていない方は、結構、重く立派だ。これを翌日、東京で会うことにしている実家の家族に渡すことにする。花芽が付いた方は、関西に持ち帰り。

さらに終わりを迎えつつある芽キャベツ


ちゃんと葉っぱをむしらなかったせいで、葉と葉の間に、平べったく芽キャベツができている。大きな芽キャベツは葉とともに収穫し、まだ小さなものは、少し残しておくことにした。そのうち、家人に引き抜いてもらおう。

その隣には、悪そうにツンツンした外観になったホウレン草。

またしてもサグチキンか。そんなに何度も台所は借りられないし、どうするんだ、この悪そう(=硬そう)なホウレン草。


それから、無理矢理定植していったキャベツとブロッコリーの苗だが、4、5本生き残っていた。おそらくネグレスコと思われるものはまだ双葉のままで瀕死。たぶん、無理だろうなあ。しかし、やむを得ない。元気なものだけ、キャベツを抜いた跡地に移転。周囲を刈草で覆う。

キャベツを抜いた跡地をきちんと耕す余裕もないので、3月に実家に帰った時に裏の林から持参した腐葉土をぶちまける。太ったミミズが2匹、慌てた様子で飛び出してくる。こんな痩せた土地にいきなり放り込まれても生きていけないだろうか。可哀想だけど仕方がない。

植え付けたことさえ忘れていたジャガイモ。

うーん。誰が間引くんだろう。仕事で出張している人の昼休みに、あんまり色々お願いするのも心苦しいし。

ブロッコリーを摘んだ後、室内に戻って、ベランダを見るとホウレン草、玉ねぎ、葉大根、期待していなかった人参の残りまで元気だった。あやめ雪は薹立ちしかかっており、慌てて大小問わず全て抜き収穫。
最後に、ローストチキンのケースに育っているパプリカ、ナスの苗。

順調に大きくなっているのはうれしいが、この後、どうするんだ。誰が定植するんだ。。。。
パプリカとナスの定植の目処も立っていないのに、トマトを蒔いていないことが気になって仕方がない。早朝、5時前に目が覚め、なんとあやめ雪の跡地のプランターに、トマト(麗夏、アイコ、イエローアイコ)を蒔いてしまった。

ごめんなさい・・・・>家人

結局、キャベツ2個を除く日曜の収穫はこんな感じ。

翌日、これらとキャベツ1個、キャベツにいた15匹(!)のナメクジまでオマケに付けて関西に持ち帰った。ちなみに、ホウレン草は、この日のうちに家でミキサーにかけ、ペーストの形でお持ち帰り。お疲れさまでした。。。